
はじめに
2011年3月11日「東日本大震災」。我々の心に深く刻み込まれた悪夢のような出来事によって、たくさんの尊い命と建物や資料など多くの有形の財産が失われました。遺族の方や被災された方、職場を失った方などそれぞれ辛く、苦しく、悲しい事情を抱えつつ、誰もが「どうなるんだろう…」「復興は果たせるのか…」「再生はなるのか…」という不安を抱き、これからのこのまちの未来に思いを馳せる人など少ないのではないだろうか。しかし「今」をしっかり見つめ、歩みを止めることなく「今」を精一杯生きるための「第1歩」を踏み出しました。その「今」はもしかすると計画的ではなく、ただただひたすら現状を均していくことに追われる日々であるかもしれません。それでもこのまちに生まれ育ちこのまちで生き続ける我々は、しっかり未来を見据えた「今」をがんばる必要がある。特にも「まちづくり」という大義を掲げる我々は、こんな時に…ではなく、こんな時だからこそ地域を担う青年経済人として、また地域の未来の責任とまちを創る使命を負う青年の一人として、みんなのさらに一歩前を歩く「勇気」と「気概」をもってこのまちの未来を創る原動力となるべきではないか。
「曇りなき心の月を先立てて、浮世の闇を照らしてぞ行く」
先輩諸兄が情熱を注ぎ、つなぎ紡いできた43年間という歴史が刻む資料や名残ある品々はほぼ失いましたが、JCとしての誇り高い志は消えることはありませんでした。同時にこのまちで創り育てていただいた我々JCへの信用と期待、そしてそこから生まれる信頼に応えるJAYCEEとしての責任と使命を果たすべく、「今」こそ誇り高く勇気を出して果敢に挑んでいきましょう。
震災を経験したことで
我々は海のまちに生きています。たくさんある産業の中でもやはり漁業を軸に海とともにその生活の基盤を作ってきました。しかし海の恩恵を受けつつも、逆に津波という自然の猛威と常に背中合わせの歴史を繰り返してきました。これまで幾度となく災害を経験してきたわけですが、今ここに我々は歴史上類を見ない規模で体験することになりました。「経験」と一言で言い表せない甚大な被害とたくさんの犠牲の上に、たまたま運よく生き延びた我々が出来ること、やらなければならないことは、被災した当事者としての「経験」を必ず今後に生かすことであり、他人ごとにせずこのまちの未来を真剣に考えていかなければならない。
震災時においては、一個人として、会社の経営者として、家庭を守る一家の柱として、地域のリーダーとしてなど、それぞれの立場で浮き彫りになった問題や突きつけられた課題があったはずです。我々もJCという立場でそこについての反省や問題点について検証と議論を重ね、きっちりとした今後の取り組みを打ち出す必要があります。有事の際は立場を考えて「これはやるがこれはやらない」なんて選んでいられないため、普段から「防災」の意識を高め、今まで以上の危機感を持ちながら、我々が考える「防災」について考えていきたい。それがまちづくりを掲げる我々に課せられた責任と捉え、JCという組織力とネットワークを駆使し我々でなければできないことを打ち出し、取り組んでいきたい。そこにはたくさんの命がかかっています。
また、震災から復旧・復興を掲げ一日も早いまちの再生に向けてみな頑張っていますが、今ここまでの復旧ができたのは、自分たちの力だけではなくそこにはたくさんの有形無形の支援があったことを忘れてはなりません。食料や医療品など物資を送ってくれる人や団体、広く支援の呼びかけをして迅速な支援と協力を促した人たち、直接被災地を訪れてボランティア活動を続けている人達、挙げればきりがないほどの支援協力があったからこそ「今」があるのです。この心温まる人と人とを繋ぐ「心」を我々は大事にしていきたい。今回いただいた支援への対価として、一日も早いまちの再生とその気持ちを運んでいただいた方々への「感謝」の心を絶対に忘れてはいけない。常に「感謝」の心を「込めて 尽くして 伝える」取り組みを心掛けていきましょう。
JCを好きになろう!
我々現役メンバーの中で「JCが大好き」、「JC頑張っています」、「JCは価値がある」と自信持って主張できるメンバーが何人いるでしょう。どこかJCで一生懸命活動すること、JCが大好きと思われることなどに恥ずかしさや否定、もしくは疑問を抱くメンバーが多いのではないか。その理由はそれぞれが持つ価値観以外の何ものでもないのだが、JC運動・活動がもたらす効果や自他の成長、そこで生まれる仲間やネットワークなど挙げればきりがないほどのJCの価値を実感し、自分のものとしていないだけではないだろうか。例えば、会員の拡大を掲げて取り組んでも、説得するメンバー自体がJCに思いが薄く、そこに自分なりの自信持って主張できる価値を見出していなければ、人の心が動くはずがない。単に理事者としての使命感や役割として「頑張る」とか「精一杯務める」ことで終わっているのではないでしょうか。まずは我々自身がJCを好きになることから始めるべきだと考えます。興味が湧けばもっと知りたくなるし、積極的に主張ができるだろう。想いが強いからその気持ちは伝わるし、想いを込めるから人の心を動かすことが出来ると信じています。
また、「今」の我々にとって一番大切なのは「時間」だし「時間の使い方」だと考えます。限られた時間の中、しかも人生において光り輝く青年期においては、殊更時間を大切にしなければ勿体無い。心無くただ義務的に参加したり、人に言われたから仕方なくJCで集まるならば他に時間を費やすほうが何倍も価値があるだろう。縁あってJCと出逢い、その仲間に魅せられ、共に取り組むJCであるならば、集中して精一杯取り組むことが新しい価値を生むはずである。
まちのため 子供たちのために
~今の自分に満足していますか?~
会社を維持、存続していくということは、日々奇跡を起こし続けることだと先輩に聞いたことがあります。経営者として夢や希望をもって真剣に仕事に向かい合うからこそ奇跡は起き続ける。いわば日々をただ過ごすだけでは衰退しか道はないのである。JCにおいても同じです。会社や組織を語る前に個々の一生懸命が前提になければ今のJCにも衰退の未来が待っています。ダメにするのも人間、奇跡を起こすのも人間です。もし「今」の自分に満足できず、ただ時間を浪費するだけの活動しか出来ていないと少しでも思うのであれば、まずは自分が変わるしかない。変わるといってもどう変わるのか?本当はみんな自分の弱さをちゃんと理解しているはず。一番の敵は常に自分の心の中に潜んでいることを解っていてそれを打破できない人がほとんどではないだろうか。自分の弱さを克服し、己をしっかり律することが出来ればおのずと結果はついて回ると思います。今の自分に満足することなく成長するための努力を続けていきましょう。自己変革が組織強化のカギを握るのです。
また、組織として個々のスキルアップと同時にJCへの理解を深めていく必要があります。理事者だけが頑張る組織では機能しないし、JCの目的や理念、ルールなどを無視した議論の上での運動・活動ではただの烏合の衆でしかありません。地域に根差し、信用と負託の上に我々の運動・活動があるならばJAYCEEとしての成長も重要なのです。自分の役割を例え小さくても重要な歯車と理解し、大きな組織の歯車の中でその役割を発揮することが強力な組織力を生みだすはずです。
会員の拡大と個々のスキルアップ
現在青年会議所内での会員の減少が問題になっています。1969年に大船渡に青年会議所が設立された当初は80人弱、一時は100人を超えるメンバーで運動・活動を展開していた会員数も、年々減少を続け現在は50人を切るまでに至ります。この問題は大船渡のみならず全国的に課題になっていますが、どこのLOMもそうだからといって甘えることなく地域から求められているまちづくりを進めていくうえで、組織としての発言力を増す意味でも志を同じくする同士を増やし、地域において更なる信頼と信用を勝ち取っていかなければなりません。
そこで今年度は特にも会員の拡大と育成を両輪に「会員強化」に力を入れて活動していきます。より公益性が求められ、組織運営においても益々細分化した処理が必要になった現在においては、メンバーが一丸となって組織の維持・強化に努めなければ衰退どころか解散という選択をせざるを得なくなってしまいます。また卒業間近のメンバーが多い我々大船渡青年会議所においては、ここ2~3年で20数名が減少してしまいます。だからこそ、メンバー一人ひとりが強い危機意識を持ち、「今」真剣に取り組む会員の拡大と個々のスキルアップが必須なのです。また、今年1年間取り組むことであげる成果のみならず、中長期的なビジョンの基に今後の会員拡大にとっての布石になるような取り組みを進めていきたい。真にこのまちの未来に思いを馳せる仲間をもっともっと増やしていきましょう。
未来を夢見る子供達へ
これまで我々JCはまちづくり団体としてまちの活性化や交流人口増加を掲げ、また教育や道徳等、青少年育成に関わるたくさんの事業を展開してきました。震災後地域の「支援」「復興」を掲げて開催する事業としては、NPOや諸団体などの支援もあり、長期的ではないにしても色々なイベントが開催されています。そんな折JCとしては、子供たちの心のケアや子供たちが元気になれる事業・活動を行っていきたい。このまちの未来を委ねる子供たちに、震災によって崩れた生活環境や悪条件の中、それに負けない強い気持ちを持ってもらうとともに、傷跡が残るこの大船渡でそれでも郷土愛を育みこのまちの未来のリーダーになっていってもらうための支援を積極的にしていきたい。
今この地域で子供が「子供らしく」成長をしていくための環境がはたして出来ているだろうか?震災後明らかに親の考え方も変わり、我々が子供のころ遊んだ川や岸壁での釣りなど、海に関わる「遊び」を親の目の行き届かない場所と時間に自由にやらせてあげることが出来なくなっています。さらに言えばクラブ活動や体育の授業ですらおもいっきりさせてあげられない状況下にあります。被災者の方々の生活環境が整いつつある一方で、校庭やグランド、公園までも仮設住宅が立ち並び、学校に通う道中にはがれきの山が積まれている状況では子供たちの無垢な心を曇らせてしまいます。その状況は変えてあげることは出来ないが、我々なりに出来る精一杯の活動を続け、心を「込めて 尽くして 伝える」ことで子供たちの心にも思いやりや優しさなどを醸成し、無限に広がる自分の将来にしっかり夢や希望を抱き頑張る子供を一人でも多く増やしていきたい。
おわりに
心を込めた「感謝」の気持ちを常に持って、すべてのことに「ありがとう」と気持ちよく言える努力をしていきましょう。人と人とを繋ぐものは心です。損得ではなく心の通った関係の上に成り立つ仲間だから信頼できるし価値がある。そんな仲間と共に、誇り高く「今」を頑張っていきましょう。
〔基本方針〕
- ○会員の拡大と、誇り高きJAYCEEの育成
- ○今後に向けた新たな会員拡大への取り組み
- ○個々のスキルアップと組織力の強化
- ○未来を夢見る子供たちへの育成事業





